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ドナルド・バード(tp)〜ペッパー・アダムス(bs)〜デューク・ピアソン(p)の鉄壁コンビネーションによる最終スタジオ作品です。
ドナルド・バード(Donald Byrd)による知的ファンキー路線の最終到達点がこのアルバム、といっても過言ではないでしょう。
また作曲のほとんどを、
デューク・ピアソン(Duke Pearson)が担当しているのもこの作品のポイントかな。
熱狂的な演奏に終始しない、高度にコントロールされたファンキーなバンド・サウンドをお楽しみ下さい。
蛇足ですがこの後、バンドのピアノはシカゴの神童、
ハービー・ハンコック(herbie Hancock)にチェンジ。
以降、バードは新たな方向である、モード&ジャズ・ロック路線を歩み始めます。
ドナルド・バードの抑制されたミュート・トランペットから始まる
「Say You're Mine」。
ややモードっぽい感じは、バードと仲の良かったらしい
マイルス・デイヴィス(Miles Davis)からの影響でしょうか?
「Duke's Mixture」は、シャッフル・ビート気味のファンキー・ナンバー。
特にペッパー・アダムスのざらざらした音色が、演奏の緊張感を高めます。
ドナルド・バードとデューク・ピアソンの共作
「Each Time I Think Of You」は、軽快なハード・バップといった趣の曲。
丁度良いテンポと、適度に変化のあるコード進行が演奏の推進力を高めております。
ベタなファンキー・ナンバー、
「The Cat Walk」はドナルド・バードの自作曲です。
下世話なテーマにもかかわらず、知的な雰囲気漂う曲に仕上げてしまうのは、このバンドらしいなあ。
テーマ部ではフレーズ毎にストップ・タイム(演奏をわざと止めて間を作った後、演奏を再開すること)を効果的に使うことで、曲の緊張感を高めております。
トランペット奏者でもある
ニール・ヘフティ(Neal Hefti)の
「Cute」は、超アップテンポの演奏。
ここでのードは、ハード・バップ時代に戻ったような、
ブラウニー(クリフォード・ブラウン)直系の素晴らしいフレーズを披露してくれます。
続くペッパー・アダムスも、バリトンとは思えないスムーズなフレーズで応酬(笑)。 そんなアダムスを、バードはバック・リフで盛り上げます。
そして最後に登場するフィリー・ジョー・ジョーンズのドラム・ソロも、素晴らしい出来であります。
締めは再びミュートで演奏する
「Hello Bright Sunflower」。
ソロ・パートでは、バードとフィリー・ジョー・ジョーンズの4小節交換から始めるという心憎い演出。
続くデューク・ピアソンの可憐なピアノ・ソロの後、ペッパー・アダムスのごつごつ(笑)としたソロに移行します。
鳴り止まないフィリー・ジョー・ジョーンズのハイ・ハットが心地よいです、ほんと。
The Cat Walk / Donald Byrd Blue Note BN4075
01. Say You're Mine (Duke Pearson) 7:17
02. Duke's Mixture (Duke Pearson) 7:01
03. Each Time I Think Of You (Donald Byrd-Duke Pearson) 5:33
04. The Cat Walk (Donald Byrd) 6:40
05. Cute (Neal Hefti) 6:16
06. Hello Bright Sunflower (Duke Pearson) 7:29
Donald Byrd (tp) Pepper Adams (bs) Duke Pearson (p) Laymon Jackson (b) Philly Joe Jones (ds)
Recoreded on May 2, 1961 at Rudy VanGelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
TOCJ-7128 ザ・キャット・ウォーク/ドナルド・バード [BN4075]
TOCJ-7128 The Cat Walk / Donald Byrd (RVG) [BN4075]
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