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シカゴの俊英、
ジョニー・グリフィン(Johnny Griffin)のニューヨーク進出第1弾がこの、
『イントロデューシング・ジョニー・グリフィン』です。
ブルーノートの
アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)、アート・ブレイキー(Art Blakey)に体は小さいが凄腕テクニシャンがシカゴにいると、J・グリフィンを紹介されたみたいです。
J・グリフィンの演奏を聴いたアルフレッド、いきなりリーダー作を作ることを決意した模様(笑)。
本アルバム、超速テンポでも前乗り(笑)で吹ききってしまうジョニー・グリフィンに対抗するため、ドラムにこれまた超絶テクニックの
マックス・ローチ(Max Roach)を起用。
グリフィンに負けじと、『ブラウン=ローチ・クインテット』時代を彷彿とさせるような壮絶なドラムを聴かせてくれます。
蛇足ですが1956年12月に録音された
「Sonny Rollins (BN1542)」でも、
ウィントン・ケリー(Wynton Kelly)、カーリー・ラッセル(Curly Russell)を含むトリオが演奏しております。
超絶テンポであるにもかかわらず前乗りで演奏してしまう
「Mil Dew」は、ジョニー・グリフィンの自作曲。
マックス・ローチの気合の入った演奏は、「ブラウン=ローチ・クインテット」の名曲
「Blues Walk (Sonny Stitt)」を彷彿とさせますね。
リラックスムード満点の
「Chicago Calling」は、グリフィンの力強さの中にユーモアを感じさせる演奏です。
このくつろいだ雰囲気は、
ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)の演奏に通じるものがありますね。
バラッド仕立ての
「These Foolish Things」、感情豊かに歌い上げるグリフィンに思わず感動してしまいますねえ。
つづくウィントン・ケリーも、短いながらツボを押さえた演奏を聴かせてくれます。
ミディアム・テンポで演奏される
「The Boy Next Door」、グリフィンは2倍速で気の利いたフレーズを次々吐き出していきます。
やや遅めのブルース
「Nice And Easy」、ロングトーン多目でサックスをめいっぱい吹き鳴らすグリフィンが凄いっす(笑)。
超アップテンポの
「It's All Right With Me」、グリフィンのマシンガンのような連発フレーズのバックで、ローチが気持ちよくスイングしております。
フレーズの切れ目で聴こえる、グリフィンの唸り声もなかなか(笑)。
ラストはアルバムのクロージングに相応しい、バラッドの
「Lover Man」。
しっとりとした雰囲気の中、グリフィンはサックスを存分に鳴らしきり、小気味良いフレーズが次々と飛び出します。
今回は、ボーナス・トラックとして2曲追加されております。
まずは超絶テンポの
「今宵の君は(The Way You Look Tonight)」、そして『ブラウン=ローチ・クインテット』を彷彿とさせる
「Cherokee」です。
どちらの曲もお蔵入りした理由は、LPの収録時間であろうと思わせるほど魅力的な演奏です。
Introducing Johnny Griffin + 2 Blue Note BN1533
01. Mil Dew (Johnny Griffin) 3:54
02. Chicago Calling (Johnny Griffin) 5:37
03. These Foolish Things (Strahey-Marvell) 5:09
04. The Boy Next Door (Martin-Blane) 4:54
05. Nice And Easy (Johnny Griffin) 4:22
06. It's All Right With Me (Cole Porter) 5:01
07. Lover Man (Ramirez) 7:55
08. The Way You Look Tonight (Dorothy Fields-Jerome Kern) 6:15
09. Cherokee (R.Noble) 4:00
Johnny Griffin (ts) Wynton Kelly (p) Curly Russell (b) Max Roach (ds)
Recorded on April 17, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
TOCJ-7123 イントロデューシング・ジョニー・グリフィン+2/ジョニー・グリフィン [BN1533]
TOCJ-7123 Introducing Johnny Griffin + 2 / Johnny Griffin (RVG) [BN1533]
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