新・ブルーノートRVGコレクション第10回より−サムシン・エルス+1 - キャノンボール・アダレイ
2008-04-06


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 『枯葉(AUTUMN LEAVES)』の決定的名演を収録したアルバム、「サムシン・エルス」
 マイルス・デイヴィスがサイドマンとして参加したこのアルバムにより、ブルーノートは「ロングセラーアルバム」をまた1枚獲得しました。

 なおこの録音で「音楽監督が仕切るアルバム(制作)」というアイデアを得たライオンは、 「Moanin' / Art Blakey & Jazz Messengers(4003)」という次なる大ヒットアルバムを生み出す事となります。


 アルバム制作は、オーナーのアルフレッド・ライオン宛に、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)から電話がかかって来た事から始まったそうです。
 「キャノンボール・アダレイをリーダーにして、サイドメンとしてマイルス自身が参加するレコーディングをしないか?」という内容だったとのこと。

 「サムシン・エルス」でのマイルスは「音楽監督」という立場で、メンバーの手配から選曲・アレンジのサポートまで担当していたようです。


 マイルスからすれば麻薬に溺れていた不遇時代でも、積極的に録音の機会を与えてくれたアルフレッド・ライオンに対し、恩返しの意味を込めて録音企画を申し出たらしいです。
 怒ると怖いが(笑)、恩は決して忘れない人だったんですね、マイルス・デューイ・デイヴィス三世。


 ハンク・ジョーンズの楚々としたイントロ、マイルスのミュート・トランペットが強烈な印象を与える『枯葉(AUTUMN LEAVES)』、  同じくミュートで軽快にスイングする『LOVE FOR SALE』

 マイルスとキャノンボールの掛け合いで進行するラフなテーマの『SOMETHIN' ELSE』、これぞハードバップだ!と叫びたくなる熱い演奏です。

 シカゴのDJ「Daddy-O Daylie」に捧げたファンキーなブルース(?)『ONE FOR DADDY-O』、ラストで聴こえるマイルスのしゃがれた声がまた雰囲気を盛り上げますね。

 ラストのバラッドの『DANCING IN THE DARK』は、マイルスが抜けたカルテットによる演奏。
 サラ・ヴォーンによる演奏を聴いた音楽監督のマイルスが、キャノンボールに演奏させたんだとか。


 CD追加曲の『BANGOON』は未発表曲として公開された当初、「Allison's Uncle」というタイトルがつけられていたもの。
 その後、ハンク・ジョーンズ(Hank Jones)の作品と確認され『BANGOON』と改題されました。
 内容は、軽快なハードバップ!といった感じ。まあ未発表のままでも良かったな(笑)。


SOMETHIN'ELSE / CANNONBALL ADDERLEY Blue Note BST-81595

01. AUTUMN LEAVES (Prevert-Kosma) 10:55
02. LOVE FOR SALE (Cole Porter) 7:03

03. SOMETHIN' ELSE (Miles Davis) 8:12
04. ONE FOR DADDY-O (Nat Adderley) 8:23
05. DANCING IN THE DARK (Schwartz-Dietz) 4:05

06. BANGOON (Hank Jones) 5:09

Miles Davis (tp -omit 5) Cannonball Adderley (as) Hank Jones (p) Sam Jones (b) Art Blakey (ds)

Recorded on March 9, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


TOCJ-7092 サムシン・エルス+1 / キャノンボール・アダレイ




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モーニン+2 / アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ


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