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最初の3曲は、ソニー・クラーク(Sonny Clark)のトリオをバックにしたマクリーンのブルーノート初リーダー録音から。
マクリーンとドナルド・バードの出来は好いのですが、肝心のクラークがヘロイン中毒が悪化した為か、ヘロヘロな出来・・・。
そのせか気迫に満ちた
「QUADRANGLE」1曲目にクラーク、全然登場しません。その替わりにフィリー・ジョー・ジョーンズのドラムが大活躍。
マクリーンは時々唸り声を上げながら気合あるソロをかまし、バードにソロを受け渡します。
そういえばこの曲、マウントフジのライブで演奏されたことがありましたね。
が病欠?の、バードの替わりに急遽ウォレス・ルーニーが参加、テーマ部分でかなり苦労していたのを思い出しました。
「BLUES INN」はミディアム・テンポの曲ですが、マクリーンは前のめり気味でブロー。バードも余裕たっぷりに美しいトーンでソロを展開します。
「FIDEL」は、S.クラークがようやく落ち着いたのか?鍵盤を叩き付けるようなバッキングで、ソロを鼓舞します。
後半の6曲(3曲+追加3曲)は、
ティナ・ブルックス(Tina Brooks)入りの1960年9月のセッションから。
蛇足ですが
「Street Singer (T.Brooks)」は、
『Back To The Tracks(unissued → 84052)』にも収録。
またこのセッション6曲は、日本のキングレコードから
『Street Singer【GXF-3067(GXK-8161)】』として発売されたことがあります。
マクリーンとティナのコンビに、ブルージーな演奏を得意とするケニー・ドリュー(Kenny Drew)とブルー・ミッチェル(Blue Mitchell)が参加。
期待通りにとーってもブルージーな演奏を聴かせてくれます。
「APPOINTMENT IN GHANA」は、やや哀愁漂うハードバップ・ナンバー。オープニング(LP時代はB面1曲目)にはぴったりかな。
トランペットがテーマ部をリードし、サックス2人がアンサンブルを付けます。
そして各人がブルース・フィーリングたっぷりにソロを吹き綴っていきます。
「A BALLAD FOR DOLL」はタイトル通り、廃退感漂うなバラッド。最初に登場するケニー・ドリューのピアノが美しい。
「ISLE OF JAVA (T.Brooks)」は私の大好きな作曲家、ティナ・ブルックスの曲。ミディアム・テンポのこれまたブルージー(笑)な演奏です。
まずは3番目に登場するティナ、ソロの「つかみ部分」で笑って下さい。
もう、いきなり『メーリさんのヒ・ツ・ジ、ヒ・ツ・ジ、ヒ・ツ・ジ』とか演奏されたら、笑うしかないでしょう。
以降はCD時代に追加された曲です。このセッションをまとめた
『Street Singer』発売してくれないかな(笑)。
ジャッフルビートで始まる
「Street Singer (T.Brooks)」、珍しく控えめなブルー・ミッチェルのソロが良い出来。
ホンカーみたいなティナ、辛口の音色のマクリーン、趣味の良いドリューのソロもいけます。
テーマの仕掛けがホレス・シルバーの曲みたいな
「Melonae's Dance」、ずーっと聴いていると
「Nica's Dream」と混同してきた(笑)。
ラストの
「Medina (T.Brooks)」も、哀愁地帯に分類出来る曲。あ、これも
「Nica's Dream」タイプだ。
なおジャッキー・マクリーンとティナ・ブルックスのコンビを気にいった方は、
「Shades Of Redd / Freddie Redd(4045)」もお聴きください。
TOCJ-7077 ジャッキーズ・バッグ+3 / ジャッキー・マクリーン
●JACKIE'S BAG / JACKIE McLEAN BST-84051
01. QUADRANGLE (Jackie McLean) 4:42
02. BLUES INN (Jackie McLean) 9:05
03. FIDEL (Jackie McLean) 7:08
04. APPOINTMENT IN GHANA (Jackie McLean) 6:57
05. A BALLAD FOR DOLL (Jackie McLean) 3:16
06. ISLE OF JAVA (Tina Brooks) 7:27
07. Street Singer (Tina Brooks) 10:15
08. Melonae's Dance (Jackie McLean) 6:46
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