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今月のラストは、20年間待ち望んだ1枚を。
今日は「ジャズの音!!−新・ブルーノートRVGコレクション」開始直前に書いた記事をアレンジして掲載します。
本アルバム
「Delightfulee (BN4243)」の売りは、ビートルズの名曲
「Yesterday」のカバーでしょう。
原曲のイメージを損なわないテンポ、オリバー・ネルソン(Oliver Nelson)アレンジによる重厚なバック・アンサンブルをバックに奔放に吹き綴るモーガン、流石です。
その他・・・・。
ひたすら陽気な1曲目
「Ca-Lee-So」、名前から想像出来る様にカリプソ・ナンバーです。
この曲、ずーっと聴いていると、灼熱の太陽を浴びたようにコンガリと日焼けしそうです(笑)。
2曲目のハードボイルドな
「Zambia」は、リー・モーガンがジャズ・メッセンジャーズ時代に作曲した
「Kozo's Waltz」をリメイクしたものです。
後テーマ直前に繰り広げられる、ドラムとの8小節交換では、得意のハイトーンを連発するモーガンに惚れてしてしまいます。
3曲目、マーチ仕立ての
「Sunrise, Sunset」は、ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」の中の1曲だそうです。
こんなカッコいい曲の原曲がミュージカルだとは・・・・ビックバンド出身の私好み、素敵なアレンジです。
4曲目は一転して、マイナー調の
「Nite-Flite」です。
この手のエキゾチック調ナンバーには、ジョー・ヘンダーソン(ts)の辛口テナー・サウンドがぴったりですねー。
ここでのジョーさん、アラビア風音階からフラジオ・トーンまで使って激しいソロを展開しています。
あと、ピアノ・ソロのバックで「セカンド・リフ」が挿入されるあたり、何だかホレス・シルバー・クインテットみたい!
ラスト5曲目は3拍子のバラッド、
「The Delightful Deggie」です。
ここではモーガンと同郷の、マッコイ・タイナー(p)の美しいピアノが一番、印象深いです。
そして今回は、入って嬉しい追加曲も補足しておきましょうね(今回の追加がどれだけ嬉しいか、お察し下さい)。
最初の2曲は、完全未発表。あとの2曲はクインテット・バージョンと聴き比べてみて下さい。
「NEED I ?」は、マーチ風のイントロで始まるとても軽快な曲です。
ソロ2番手で登場するモーガンも快調に飛ばしており、最後にドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズとの8〜4小節交換も難なくこなし、次のマッコイに引継ぎます。
ビックバンドがバックだとトランペット奏者の性といえ、燃えますね。
「FILET OF SOUL」、タイトル通りにミリディアムテンポのソウルフルな演奏です。
O・ネルソンお得意のチューバ、フレンチ・ホルンなどの低音管楽器による、アクセントの付け方がいいですねー。
「ZAMBIA -BIG BAND VERSION-」、軽快なクインテット・バージョンに対し、低音管楽器のアクセントが付いた、とっても重厚な演奏になっております。
・・・アレンジが重すぎたのかなあ。ホント、良い出来なんですけどね。
追加曲最後の
「THE DELIGHTFUL DEGGIE -BIG BAND VERSION-」、私はどちらかというと、こちらのバージョンの方が好みです。
クインテット・バージョンよりやや遅めのテンポですが、その分、感情移入しやすい気がします。
・・・良く聴くとモーガンのソロは、ビックバンド・バージョンの方が、多少散漫な感じがする位かな。
アルフレッド・ライオンは、リー・モーガンの演奏と全体のバランスを考えて、クインテット・バージョン中心のアルバム構成にしたのでしょう。
これがもし、編曲を担当したオリバー・ネルソンを紹介するアルバムだったら、構成が逆になっていたでしょう。
無い物ねだりですが、オリバー・ネルソン楽団のアルバム、作って欲しかったなあ。
●TOCJ-7050 デライトフリー+4 / リー・モーガン
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