エグイ「枯葉」で有名な・・・ Cookin' / Booker Ervin SAVOY MG-12154
2007-06-02


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 加持です。今日は電話で朝早く叩き起こされたので、快晴の新潟を堪能しています。
 ・・・・で、こんな快晴な空に関係ないアルバムを(~~)。


 先日コメントいただいた、えりっく$Φさんの記事にあるリチャード・ウィリアムス(Richard Williams)が参加しているアルバムを取り上げてみましょうか・・・。

 小粋なトランペッター…リチャード・ウィリアムス〜ニュー・ホーン・イン・タウン



 このアルバム、前回のスタンリー・タレンタインのライブを「どす黒い」と形容しましたが、それ以上(~~)。濃度で形容すると、軽く3倍濃縮位は、いってますね。

 なんてったってバックは、ホレス・パーラン(Horace Parlan)率いる「Us Three」トリオ。さらにドラムが、チャールズ・ミンガス・バンドのダニー・リッチモンド(Dannie Richmond)に交代。

 とどめの主役が、癖のあるテナーサウンドが売りのブッカー・アービン(Booker Ervin)ときたもんだ。

 ・・・なんかメンバー書いただけでも、ブルース&ファンキー臭さで悶絶しそうな面子。「くさやの干物」並みの旨みと破壊力があります。


 そんな(とんでもない)メンバーに囲まれたお蔭(?)で、リチャード・ウィリアムス(tp)さん、大健闘しております。
 このタイプのトランペッターは、癖のあるメンバーに囲まれると、逆に張り切って(?)いい演奏を残す様です。

 例えば、「Outward Bound / Eric Dolphy (New Jazz NJLP 8236)」に参加して好演を残した、フレディ・ハバード(Freddie Hubbard)。
 あるいは知性と破壊性を併せ持つ、ドナルド・バード(tp)&ペッパー・アダムス(bs)のファンキー・チームとか・・・。

 有名どころでは、マイルス・デイビス(tp)&ジョン・コルトレーン(ts)のコンビもそうですね(フロント陣のコントラストが結構強い!)。



 ブッカー・アービン自作の4曲は、テンポは違えど「ブルース&(ド)ファンキーで全て説明され尽くされる気がします。ジャズ版のくさやの干物(笑)。噛めば噛むほど旨みが増します。
 中でも5曲目、スロー・(ド)ブルースの「Well, Well」で、ホレス・パーラン(p)お得意のワン・フレーズ(?)攻撃が堪能出来ます。
 コードが替わっても呪文のように、延々と同じフレーズを繰り返すパーラン・・・そこから抜け出した時の開放感!を知ってしまうと最後・・・あなたもパーランの虜に(~~)。


 あと面白いのがスタンダードの2曲、バラッド仕立ての「恋とはなんでしょう(You Don't Know What Love Is)」と、(ド)ファンキー風に味付けされたシャンソン・ナンバーの「枯葉(Autumn Leaves)」でしょう。

 「恋とはなんでしょう(You Don't Know What Love Is)」は、無理やり形容すると「漢(おとこ)泣き」みたいな演奏ですね(なんのこっちゃ)。

 江口寿史のギャグ漫画に出てくる(古い形容でスイマセン)ふんどし一丁の角刈りのごついオニーサンが、雨降り注ぐ崖淵で涙を流しながらテナーを演奏するみたいな・・・・具体的に想像すると・・・あ・ぶ・な・いな、やめよう(笑)。


 最後の「枯葉(Autumn Leaves)」、ダニー・リッチモンドのたたき出すシャッフル気味のリズムに乗り、ミュートを付けたリチャード・ウィリアムス(tp)が好演を繰り広げます。
 ミュートでそこまで吹かなくとも・・・と思うくらい、畳み掛けるように音符を並べてきます。ホント、「Outward Bound 」のフレディみたい。


 話は飛びますが、ファンキーなキャノンボール&ナットのアダレイ兄弟が演奏する「枯葉」、聴いたこと無いんですが、彼らは「マイルス・バージョン」で演奏しているのでしょうか・・・。


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[らっぱ(trumpet)]
[さっくす(sax)]

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